そめうらなこ

2003年生まれ
絵の具の自然な滲みや白を生かした平面作品、ごみとされてしまう素材を使ったインスタレーション作品などを手がける。


　私を含め、今の人々は日々の忙しなさ故、ただ息を吸い、吐き、その大地に佇むことを忘れてしまっている。
人間である前に私たちはこの地球に住まう生き物である。
ふと足元を見てみれば、足を支えてくれる土が、その土を浄化してくれる虫たちが、虫たちに住まいと食べ物をやる植物が、あらゆるものが支え合い存在している。
それなのに私たちの意識は、すっかり人間が作った社会という箱に収まってしまった。
そしてそれは自覚している以上に生き物の本能にとっては窮屈なもの。
私の絵は絵の具が自然と流れたかたちに沿って描いている。
その抽象的な画面を前にどうか意味や難しいことを考えず、深呼吸して頭のてっぺんと足の裏の感覚を研ぎ澄ませてみてほしい。
きっとほんのり見えたモチーフや絵の具のゆらめきが、あなたの心の底にある想いに寄り添って、傍にある存在の暖かさを教えてくれるはず。


2023年　六花亭「二十歳の輪郭」入選
2023年　初個展「果てしものが辿る場所」　Art Bar Kairos